歯周病治療

歯周病治療

歯周病専門医だからできる高度な治療

歯周病治療

再生療法や外科的治療など歯周病専門医だからこそできる高度な技術を駆使して、歯を残す努力をしています。セカンドオピニオンも受け付けています。過去に抜歯をすすめられた方も、一度ご相談ください。

歯周病について

歯周病は歯垢の中の細菌が原因

歯周病は、歯垢(プラーク)の中に潜む原因菌が繁殖して、歯と歯ぐきの隙間に歯周ポケットをつくることで発症します。原因菌は歯肉に炎症を起こしながら内部に侵入し、歯周組織や歯槽骨を溶かしていきます。初期症状としては、歯ぐきが少し腫れる、ブラッシングで出血するなどが挙げられますが、自覚症状が乏しいまま進行するのが特徴です。異常を感じるころには病状はかなり進んでいると考えられ、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。

歯周病専門医とは

治療の選択肢が多いのも専門医ならでは

歯周病専門医とは、日本歯周病学会がプロフェッショナルだと認めた歯科医師に与える資格です。取得のためには、歯周病を専門とする施設で5年以上の経験を積み、資格試験を突破する必要があります。専門医だからこそできる高度な治療もあり、患者様により多くの治療方法をご提案することができます。

当院の歯周病治療

抗生物質を使わず歯周病を改善

これまで歯周病の治療では抗生物質が使われてきましたが、抗生物質は悪玉菌と一緒に善玉菌まで殺菌してしまうため、その副作用が問題になっていました。加えて、長期間にわたって使い続けると、抗生物質が効かない「薬剤耐性菌」を生む恐れもあります。そこで当院では、善玉菌を摂取する「バクテリアセラピー」を導入。善玉菌のサプリメントを服用することで体内菌のバランスを整え、歯周病を改善します。副作用の心配もなく、安心して服用いただけます。

軽度から重度まで保険適用で治療

歯周病の治療は、歯垢や歯石を取り除くことが基本です。初期であれば、ブラッシングと歯石取りで歯の周りの清潔さを取り戻せば、短期間のうちに治すことができます。

しかし重度になると、歯周組織の破壊が進んでいるため、外科的処置が必要です。当院では、保険適用の「リグロス」という薬剤を用いて「歯周組織再生療法」を行い、歯周組織の回復を図っています。

リグロスを使った治療の進め方

歯周病の進行を検査

歯周ポケットの深さを測り、レントゲンで骨の状態を確認して、歯周病の進行度を検査します。検査結果をもとに、リグロスを使用した再生療法が可能かを判断します。

歯周外科手術

歯周外科手術は麻酔下で行います。歯肉を切開し、歯根表面を清掃してリグロスを塗布。切開した歯肉を元どおりに縫い合わせて、手術は終了です。

手術は日帰りです。手術後、1~2週間後に抜糸します。(※術前・術後に通院が必要になる場合があります)。

治療後の定期的な検査

歯周組織の再生までにかかる期間は、歯周病の状態によって異なり、歯肉が健康を取り戻すまで数ヶ月を要します。治療後は口腔内を清潔に保つことが大切です。必ず定期検査をご受診ください。

自分の血液成分を利用する「CGF再生療法」

再生療法を行う際、患者様の血液の成分を使うことで骨や歯周組織の回復を促すことができます。この治療法を「CGF再生療法」といいます。CGFでは、患者様から採血した血液を遠心分離機にかけて加工。自己由来の血液のため、拒絶反応や感染のリスクを軽減させることができます。

CGFは、厚生労働省への届け出を済ませた歯科医院でのみ行うことができる治療です。保険診療の適用外ですので、自費治療となります。

歯周病が原因となる病気

歯周病が全身疾患の引き金になることも

歯周病の原因菌は炎症を起こしながら歯周組織を破壊して進行しますが、その際に出される毒素が血管から全身をめぐることで、さまざまな病気の引き金になることが知られるようになりました。特に、歯周病と糖尿病の相関は深く、歯周病になると糖尿病が悪化する可能性が高くなり、反対に糖尿病が悪化すると歯周病になりやすくなるという関係にあることがわかっています。一方で、歯周病を治療すると糖尿病も改善。お口と全身のつながりが解明されたことで、口腔ケアの重要性がますます指摘されています。

糖尿病

糖尿病は、慢性的に血糖値が高くなることで全身の免疫力が落ちてしまう病気です。悪化すると、心臓病や失明、腎不全、足の切断などさまざまな合併症を引き起こします。

肥満

歯周病による炎症が肥満を招いている可能性があります。また、肥満は脂肪細胞によって全身に炎症が起きている状態のため、歯周病の炎症を悪化させやすいともいわれています。

脳卒中

血液中にある歯周病菌が「アテローム性プラーク」と呼ばれる脂肪性物質の沈着物をつくることで血栓ができ、脳の血管に運ばれて詰まったり、破れたりすることで発症します。

早産/低体重児出産

歯周病菌に含まれる毒素や炎症物質の濃度が血液中で高くなると、子宮筋が収縮し、胎児が十分に成長できないまま出産に至る可能性があります。早産の恐れもあり、注意が必要です。

誤嚥(ごえん)性肺炎

誤嚥性肺炎は、高齢者の死亡率の高い病気です。歳をとると口腔機能が衰え、食べ物が気管や肺に入り込んでしまうことがあります。口内に細菌が多いと、誤嚥性肺炎を招きやすくなります。

骨粗しょう症

骨粗しょう症で全身の骨が弱くなると、歯を支えている歯槽骨ももろくなります。また、骨粗しょう症の薬を服用している方が抜歯をすると、抜けた歯の周囲の骨が壊死してしまうことがあります。

歯周病の進行度と治療法

軽度歯周病

歯と歯肉の間に歯垢や歯石が溜まり、細菌の繁殖によって炎症が起こった状態です。軽度歯周病であればブラッシング指導や歯のクリーニングを行うことで、短期間で回復します。

中等度歯周病

口臭や出血がひどく、歯石の付着も目立ち、歯肉も炎症を起こしています。少しずつ骨が後退しはじめ、歯周ポケットも深くなり、歯も動揺してきます。この段階では、数回にわたって除石を行い、歯肉の状態を改善します。歯肉溝(ポケット)の深さが4mm以上あるところは、歯周外科の適応となります。

重度歯周病

歯肉が化膿して、真っ赤に腫れた状態です。骨もかなり破壊されて後退し、歯の動揺がグラグラと大きくなっています。重度の場合、非外科処置では対応できない部位があれば歯周外科にて対応します。それでも保存不可能な場合は、残念ながら抜歯となります。

当院の主な歯周病治療メニュー

プロによるケアで予防効果アップ

軽度から重度まで、あらゆるステージの歯周病治療を行なっています。重度になると外科手術が必要になり、高度な技術を要します。当院では歯周病専門医が治療を行うため、治療の選択肢も豊富です。

スケーリング

スケーリングでは、歯肉や歯周ポケットに付着した歯垢や歯石などを除去します。超音波を使うことで石灰化した歯石まで簡単に除去でき、汚れが一掃されることで虫歯や歯周病のリスクが低下します。施術後は歯の表面がツルツルと滑らかになるため、再び歯垢が付着することを予防します。また、歯ぐき下がりの防止にも効果が期待できます

歯周ポケット掻爬術

歯周ポケットの深さが4mm程度の症状が軽い歯周病に適用される治療法です。治療では、スケーラーという器具で炎症を起こした組織や汚染された歯根面の組織を取り除き、歯周ポケット内を清掃します。これにより、歯根面と周囲の組織がくっついて、歯周ポケットを浅くすることができます。症状が改善しない場合は、フラップ手術に移行します。

フラップ法

歯肉をメスで切り開いて、歯根面や歯槽骨に付着した歯石などを除去。溶けてしまった歯槽骨の表面を整えてから、縫合します。進行した歯周病の外科処置には、このフラップ法を用いて感染状況を目視で確認し、汚れを徹底的に除去することで成果を上げています。手術後のケアを怠ると再発する可能性があるため、定期的な健診が重要です。

リグロス

重度の歯周病では、歯周病菌によって歯周組織の破壊が進んでいるため、外科的処置が必要になります。当院では、保険適用の「リグロス」という薬剤を用いて「歯周組織再生療法」を行い、歯周組織の回復を図っています。リグロスには皮膚を再生させる効果があり、同様の成分がやけどや床ずれの治療にも使われています。

エムドゲイン

重度の歯周病外科手術の際に使う薬剤で、主成分のエナメルマトリックスデリバティブは乳歯が生えるときに重要とされるたんぱく質の一種です。そのため、感染が進行して溶けた部位に使用すると歯の発生過程に似た環境を周囲に再現し、失われた歯周組織を再生します。CGF再生療法や骨補填材(人工骨)と併用することもあります。

※エムドゲインによる治療は自由治療です。

エムドゲインのメリット

  • 骨や歯周組織を再生することができる
  • 歯周ポケットを浅くすることができる
  • 合併症のリスクが少ない

エムドゲインのデメリット

  • 再生できる量には個人差がある
  • 適用できない症例もある
  • 骨の再生には時間がかかる

治療回数・治療期間

手術回数:1回
通院:3回
期間:約1ヶ月

費用(税込)

費用:66,000円

CGF再生療法

溶けてしまった骨や歯周組織の再生治療をする際、患者様の血液成分を用いて回復の促進を図る治療法で、厚生労働省から認可された歯科医院でのみ行うことができます。治療では、採血をしたあとに血液を遠心分離機にかけて、必要な成分を取り出します。ご本人の血液由来の成分なので、拒絶反応や感染のリスクを抑えることができて安心です。

※CGF治療法は自由治療です。
※リグロス・エムドゲインと併用して行います。

CGF再生療法のメリット

  • 歯周組織の再生を促して治癒を早める
  • アレルギーの心配がない
  • 術後の痛みや出血を抑える効果が期待できる

CGF再生療法のデメリット

  • 採血をしなければならない
  • 血液検査の結果しだいでは治療が行えないことがある

治療回数・治療期間

手術回数:1回
通院:3回
期間:約1ヶ月

費用(税込)

費用:22,000円

深くなった歯周ポケットを除去し、プラーク(歯垢)コントロールをしやすくするため、腫れている歯肉をメスで切り取ります。歯肉は回復が早いため、術後に大きな傷痕が残ることはほぼありませんが、歯肉を取り除くと歯肉の位置が下がり、歯根が露出する可能性があります。知覚過敏の症状が出ることもあり、注意が必要です。

GTR(組織誘導再生法)

歯周病によって壊された歯の根に、不要な歯肉が入り込んで歯周組織の回復を阻害しないようにメンブレンという特殊な膜を被せます。これにより、膜の上の歯肉と膜の下の歯槽骨の回復が期待できます。高度なテクニックが必要となりますが、経験豊富な歯周病専門医が治療を行います。また、当院では保険診療でも行えます。

バクテリアセラピー

口腔内に、歯周病の原因となる悪玉菌が多い患者様には、善玉菌を増やす治療「バクテリアセラピー」をお勧めしています。治療では、毎日、ご自宅で善玉菌のサプリメントを摂取していただきます。治療を続けるうちに口腔フローラが整い、歯周病の改善につながります。薬を服用中の方も安心してお飲みいただけます。

バクテリアセラピーのメリット

  • 歯周病や虫歯リスクの抑制
  • 口臭を抑える
  • アレルギー症状の軽減
  • 副作用のリスクが低い

バクテリアセラピーのデメリット

  • 善玉菌は体内に定着しにくいため継続しないと効果がなくなる
  • コストがかかる

治療回数・治療期間

サプリメント服用期間:最低3ヶ月

費用(税込)

費用:2,600円※1箱(1ヶ月分)

歯周病に関するQ&A

Q歯周病とは、どんな病気ですか?
A歯周病とは「歯を支える骨が溶ける病気」です。
歯と歯ぐきの境目についた歯垢(プラーク)から歯の根に沿って菌が入り込み、歯を支えている周りの骨をじわじわと溶かしていき、最後には歯が抜け落ちてしまいます。歯周病は「沈黙の病」などと呼ばれるように、ほとんど自覚症状がないため、気付かない間に悪化させてしまうことがよくあります。
Q歯槽膿漏と歯周病は違うものですか?
A 同じものです。
これまで、歯の周辺の歯肉が腫れ、膿が出るという症状から「歯槽膿漏」という名称がおもに使用されていました。一方で最近は、歯肉だけでなく歯を支える歯槽骨をはじめ、歯の周辺の広範囲にさまざまな症状が表れるため「歯周病」という名称が用いられるようになりました。
Q 歯周病は何歳くらいから起こるものですか?
A 歯周病は成人してから起こるものと思われていますが、実は歯周病の前段階ともいえる歯肉炎は幼少期から起こりえます。
また、歯周病は痛みなどの自覚症状がほとんどないため、発見が手遅れになることもしばしば。歯周病を予防するために、毎日のブラッシングと歯科医院での定期検診が重要です。
Q歯周病はどのように予防するのでしょうか?
A 歯周病を予防するためには、何よりもまずプラークコントロールが不可欠です。歯の周辺に付着したプラーク(歯垢)を除去し、細菌を減らすことで歯周病の進行を食い止めることができます。
歯の上側の歯垢は、ご自身の毎日のブラッシングによって取り除くことができますが、歯肉の内側深く入り込んだ歯垢はご自身で除去できないため、歯科医院で清掃を行う必要があります。ご自身と歯科医院の相互の取り組みによって、歯周病を予防していきます。
Q歯周病はどうやって治すのでしょうか?
A 歯周病が進行して溶けてしまった骨は戻すことができません。とにかく症状を悪化させないようにすることが大事です。
歯周病の原因は歯垢です。歯周病になってしまった際には、根源である「歯垢=細菌」をいかに減らしていくかが重要なポイントです。細菌を減らすためには、まずご自身の毎日のブラッシングによって、今以上に細菌を増やさないことが大切です。

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